損切りは何pipsが正解?|FX初心者が覚えたい「損切り位置」の考え方
損切りは何pipsが正解?|FX初心者が覚えたい「損切り位置」の考え方
「損切りは何pipsくらいにすればいいですか?」FXを始めたばかりの人から、よく出てくる疑問の一つです。
10pips、20pips、30pips……。最初から数字で決めておけば分かりやすいですし、「毎回20pipsで損切り」とルール化したくなる気持ちも分かります。
でも、相場の値動きは毎回同じではありません。そこで今回は、「何pipsで切るか」ではなく、「なぜそこで損切りするのか」という視点から、初心者にも分かりやすく損切り位置を考えてみます。
■ そもそも損切りは何のために置く?
損切りというと、「損失を小さくするためのもの」と考える人が多いと思います。もちろん、それも大切な役割です。
ただ、実際のトレードではもう一つ重要な意味があります。それが、「自分が考えていたシナリオが崩れたところで、そのトレードを終了する」という役割です。
例えば、「上昇トレンドの押し目から再び上がる」と考えて買ったとします。それなのに、押し目として想定していた安値を大きく割り込み、そのまま下落していった。
そうなれば、少なくとも自分がエントリーしたときに考えていた「この押し目から上昇する」というシナリオは崩れています。
損切りは「これ以上損したくないから切る場所」ではなく、「ここまで来たら自分の考えを一度撤回する場所」と考える。
まずは、この感覚を持っておきましょう。
■ 「毎回20pips」の何が問題なの?
例えば、どんな相場でも20pipsで損切りすると決めたとします。一見すると、ルールを守ったトレードに見えます。
しかし、値動きが非常に小さい日もあれば、経済指標などで大きく動いている日もあります。さらに、ドル円とポンド円、ゴールドなどでは普段の値動きの大きさも違います。
値動きの大きな相場で20pipsしか余裕がなければ、方向が合っていても通常の上下動だけで損切りになるかもしれません。反対に、値動きの小さな相場では20pipsが必要以上に遠いこともあります。
相場の形が違うのに、損切り幅だけを毎回同じ数字にする必要はありません。
先に「20pips」と決めるのではなく、チャートを見て「ここを超えたら今回の考えは崩れる」という場所を探し、結果として何pipsになるのかを見る方が自然です。
■ 押し目買いなら「どこを割ったらおかしい?」を考える
具体的に考えてみましょう。上昇トレンドで押し目買いを狙っているとします。
価格がいったん下落し、過去に反応した価格帯やGMMA付近から再び上を向いたので買った。この場合、損切りを考えるときに役立つのが、「どこを割ったら、押し目買いという考え方が怪しくなるだろう?」という視点です。
例えば、直近の安値を明確に割れば、それまで続いていた高値・安値の切り上げが崩れるかもしれません。あるいは、自分が反発を期待していた重要な価格帯を完全に下抜ければ、買った根拠そのものが弱くなります。
そのような場所が、損切り位置を考える基準になります。
「買った価格から○pips下」ではなく、「買った理由が崩れる場所はどこ?」とチャートに聞く。
この考え方が重要です。
■ 戻り売りなら考え方は反対
戻り売りでも考え方は同じです。
下降トレンドで価格が戻ってきて、過去に売られた価格帯などから再び下を向いたので売ったとします。それなら、「どこまで上昇したら戻り売りというシナリオが崩れるのか」を考えます。
例えば直近の重要な高値を明確に上抜ければ、それまでの高値切り下げが崩れる可能性があります。
つまり、押し目買いでも戻り売りでも考え方は共通しています。
エントリーした根拠が崩れる場所を探し、その外側に損切りを考える。
「買いだから○pips」「売りだから○pips」という考え方ではなく、チャートの形を基準にするわけです。
■ 損切りを「直近安値ぴったり」に置けばいいわけでもない
ここまで読むと、「じゃあ押し目買いなら直近安値、戻り売りなら直近高値に損切りを置けばいいんだ」と思うかもしれません。
ただし、これも毎回機械的に決めるのはおすすめしません。
相場では、過去の高値や安値を一時的に少し超えてから、元の方向へ戻ることがあります。そのため、誰が見ても分かる高値や安値のちょうど同じ価格に損切りを置くと、一時的な値動きで決済された直後に想定方向へ動くこともあります。
だからといって、必要以上に遠くへ置けばいいわけでもありません。
大切なのは「この価格を1pipsでも超えたら絶対にシナリオ崩壊」と考えるのではなく、値動きには多少の揺れがあることも考慮することです。
損切りは点ではなく、ある程度「この辺りを明確に抜けたら」というゾーンで考える方が実際の相場には合わせやすくなります。
■ では、損切りが50pipsになったらどうする?
チャートから損切り位置を考えた結果、エントリー価格から50pips離れていたとします。
ここで「50pipsも損したくないから、20pipsに近づけよう」とすると、本来のトレード根拠とは関係のない場所に損切りを置くことになります。
では50pipsの損失をそのまま受け入れるしかないのでしょうか。
そうではありません。
損切りまでの距離が広いなら、ロットを小さくします。
例えば自分が1回のトレードで許容する損失額を決めているなら、損切りまでの距離が広くなるほど取引数量を小さくする。反対に損切りまでの距離が短ければ、同じ許容損失額の範囲内で取引数量を調整できます。
つまり、「損切り位置」と「いくら損するか」は分けて考える必要があります。
■ 順番を逆にしないことが大切
初心者がやってしまいやすいのが、最初にロットを決め、その後で損切り位置を考えることです。
「今日は1万通貨でトレードする」と先に決めてしまうと、損切りが遠い場面では損失額が大きくなります。その結果、「そんなに損したくないから損切りを近づけよう」となってしまいます。
本来は順番が逆です。
- エントリーの根拠を確認する
- その根拠が崩れる場所を考える
- 損切り位置を決める
- エントリーから損切りまでの距離を確認する
- 許容できる損失額からロットを決める
損切り位置にロットを合わせるのであって、ロットに損切り位置を合わせない。
この順番は、資金管理を考えるうえでも非常に重要です。
■ 損切りが遠すぎるなら「やらない」も正解
もう一つ忘れてはいけない選択肢があります。
チャート上では損切り位置が分かった。でも、現在価格からあまりにも遠い。ロットを落とせばトレード自体はできるものの、利益を狙える場所とのバランスも悪い。
そんなときは、無理にエントリーしなくても構いません。
価格がもう少し自分の狙いたい場所まで来るのを待つ。あるいは今回は見送って、次のチャンスを探す。
損切り位置が決められないトレードや、損切り位置まで遠すぎるトレードは、「今は入る場所ではない」というサインかもしれません。
FXでは、見送ったトレードで資金が減ることはありません。
■ 「損切りされた=分析が全部間違い」でもない
損切りされると、「分析を間違えた」「もっと損切りを広くしておけばよかった」と考えてしまうことがあります。
でも、どれだけ丁寧に分析しても損切りは起こります。相場に100%はありません。
大切なのは、損切りになったことそのものではなく、事前に決めた根拠に従って損切りできたかです。
自分のシナリオが崩れたから損切りした。その後、相場が戻ってきたとしても、その判断自体が間違いだったとは限りません。
結果だけを見てルールを変えていると、「今回は戻ったから次は損切りしない」という危険な考え方につながります。
損切りは失敗ではなく、「このトレードの前提は崩れた」と認めて次へ進むための仕組みです。
■ まとめ|損切りは「何pips?」から考えない
今回、一番覚えてほしいのは、損切りを固定されたpips数だけで考えないことです。
まずチャートを見て、「自分はなぜここで買うのか、なぜここで売るのか」を考える。そして、その理由が崩れる場所を探します。
① エントリー根拠を決める
② 根拠が崩れる場所を探す
③ 損切り位置を決める
④ 損切りまでの距離を測る
⑤ その距離に合わせてロットを調整する
この順番です。
「損切り20pips」と先に決めてチャートを合わせるのではありません。チャートから損切り位置を決め、その結果として20pipsなのか、30pipsなのか、50pipsなのかが決まります。
そして、その損切り幅では条件が悪いと思えば、トレードしないという選択もできます。
損切りは「負ける場所」を決める作業ではありません。「自分の考えが間違っていたら、どこで撤退するか」をエントリー前に決める作業です。
次にトレードするときは、「損切りは何pipsにしよう?」ではなく、まずチャートを見ながら「どこまで来たら、このトレードを続ける理由がなくなる?」と考えてみてください。
次回は、「損切りした直後に戻った!それでも損切りは必要?」をテーマに、初心者が一度は経験する「損切りしたら戻る問題」と、そこから損切りを外してしまう危険性について解説します。
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