損切りした直後に戻った!|それでもFXで損切りが必要な理由
損切りした直後に戻った!|それでもFXで損切りが必要な理由
「損切りした瞬間に反転して上がっていった……」
FXをしていると、一度はこんな経験をすると思います。
しかも、これが何度か続くと「損切りしなければ勝っていたのに」「もう少し我慢した方がいいのでは?」と思ってしまいます。
でも、ここで損切りを外してしまうのは危険です。
今回は、なぜ損切りした直後に価格が戻ることがあるのか。そして、それでもなぜ損切りが必要なのかを考えてみましょう。
■ 損切り後に戻るのは珍しいことではない
例えばドル円を150.00円で買い、149.80円に損切りを置いたとします。
価格が下落して149.80円に到達。損切りになりました。
ところが、その直後から反発して150.20円まで上昇。
「損切りしなければ利益になっていたのに……」と思いますよね。
ただ、相場は一直線には動きません。上昇するときでも途中で下落しますし、下降するときでも途中で上昇します。
そのため、損切り価格に到達したあとで反対方向へ戻ること自体は、普通に起こります。
問題は「戻ったこと」ではありません。
その結果を見て、次のトレードで損切りを外してしまうことです。
■ 「損切りしなければ勝っていた」は結果を見た後だから言える
ここで一つ考えてみましょう。
149.80円まで下がった瞬間、あなたにはその後150.20円まで上昇すると分かっていたでしょうか。
当然、分かりません。
150.20円まで戻る可能性もあれば、そのまま149円、148円と下落していく可能性もありました。
ところが結果を見た後では、未来を知っています。
だから「あそこで損切りしなければよかった」と簡単に言えてしまうのです。
トレードの判断は、未来のチャートを見ながら評価してはいけません。
その瞬間に持っていた情報と、自分が事前に決めたルールをもとに判断する必要があります。
■ 損切りの本当の役割を思い出そう
前回の記事では、損切りを単純に「○pips逆行したら切る」と考えるのではなく、自分のトレードシナリオが崩れる場所から考えると説明しました。
例えば上昇トレンドの押し目買いをしたとします。
「この安値を維持して、ここから再び上昇する」と考えて買った。
ところが、その安値を明確に下抜けた。
それなら、自分がエントリーしたときに考えていた前提が崩れています。
だから一度撤退する。
その後に価格が戻ったとしても、それは別の話です。
損切りした時点では、最初に考えていたシナリオが崩れたから撤退した。それなら、その損切りには理由があります。
■ 一番危険なのは「次から損切りしない」と考えること
損切り後の反転を何度か経験すると、こんな考えが出てきます。
「どうせまた戻るだろう」
そこで次のトレードでは損切りを入れず、そのまま耐える。
実際、それで助かることもあります。
20pips逆行して戻る。30pips逆行しても戻る。
すると「やっぱり損切りしない方がいい」と感じ始めます。
しかし問題は、戻らない相場が必ずあることです。
50pips、100pips、200pips……と逆行しても、「今まで戻ったから今回も戻る」と考えて切れなくなる。
小さな損失を何度も回避できたとしても、一度の大きな値動きで、それまでの利益以上を失う可能性があります。
損切りは、毎回きれいに負けるためにあるのではありません。想定外の大きな損失から資金を守るためにも必要なのです。
■ ただし「損切りされたから仕方ない」で終わらせない
ここまで読むと、「ルール通り損切りしたなら、何も反省しなくていい」と感じるかもしれません。
それも違います。
損切り後に何度も同じような反転が起きているなら、損切り位置そのものに問題がないかを振り返る必要があります。
例えば、押し目買いで直近安値ぴったりに損切りを置き、少しだけ安値を割ったところで毎回損切り。その直後に上昇している。
それなら、損切りが値動きに対して近すぎる可能性があります。
あるいは、エントリーそのものが早すぎるため、適切な損切り位置までの距離が大きくなりすぎているのかもしれません。
「損切りされた=損切りが悪い」ではなく、「なぜそこで損切りになったのか」を振り返る。
この違いは重要です。
■ 1回ではなく「何回も同じことが起きているか」を見る
一度だけ損切り直後に反転したからといって、すぐにルールを変更する必要はありません。
相場には偶然があります。
しかし、トレード記録を見返して「同じ形で10回入り、そのうち何度も同じ場所で損切りされたあとに想定方向へ動いている」と分かったなら、改善する価値があります。
損切り位置を少し見直した方がいいのか。
エントリーをもう少し待った方がいいのか。
そもそも、その場面をトレードしない方がいいのか。
1回の結果でルールを変えるのではなく、記録を積み重ねて傾向を見る。
これがトレードを改善するための振り返りです。
■ 損切り後にすぐ入り直すのも注意
もう一つ初心者がやってしまいやすいのが、損切り直後の再エントリーです。
損切りされた直後に価格が戻り始めると、「やっぱり自分の予想は合っていた!」と、すぐ同じ方向へ入り直したくなります。
しかし、その判断には注意が必要です。
損切りした悔しさから、「取り返したい」という気持ちで入っているだけかもしれません。
入り直すなら、もう一度チャートを見ます。
最初のシナリオとは別に、今の値動きから新しいエントリー根拠が作れるのか。
それを確認してから判断します。
「損切りされたから取り返す」ではなく、「新しいチャンスができたから入る」。この二つはまったく違います。
■ 3連続で損切りしたら、一度チャートから離れる
特に注意したいのが、損切りが連続したときです。
1回目は冷静でも、2回目、3回目と続くにつれて「次こそ取り返したい」という気持ちが強くなります。
すると、本来なら見送る場面でもエントリーしたり、ロットを上げたり、損切りを広げたりしやすくなります。
だから私は、3連続で損切りしたら一度トレードを休むというルールをおすすめしています。
相場と自分の見方が合っていない可能性もありますし、感情的になっている可能性もあります。
相場は逃げません。
一度チャートから離れて、頭をリセットしてからもう一度見ればいいのです。
■ 損切り後に見るべきなのは「利益になったか」ではない
損切りしたトレードを振り返るとき、「その後どうなったか」ばかり見てしまいがちです。
でも、本当に確認したいのはそこではありません。
エントリーした理由は明確だったか。
損切り位置には根拠があったか。
自分が決めたルールを守れたか。
同じ条件になったら、もう一度同じトレードをするか。
こうした部分を振り返ります。
利益になったトレード=良いトレード、損切りになったトレード=悪いトレード、ではありません。
根拠なく入って偶然利益になったトレードより、ルール通りに入り、ルール通り損切りしたトレードの方が、長い目で見れば価値があります。
■ まとめ|損切り後に戻っても、ルールを壊さない
損切りした直後に価格が戻れば、悔しいと思います。
「あと少し耐えていれば……」と思うのも自然です。
でも、その後の値動きは損切りした瞬間には分かりません。
大切なのは、結果を見て損切りの必要性を判断することではなく、エントリーした時点で決めたシナリオとルールに従って行動できたかです。
そして、損切り後の反転が何度も続くなら、「損切りをやめる」のではありません。
損切り位置、エントリー位置、相場環境の見方を見直す。
改善するのはルールの精度であって、資金を守る仕組みそのものを捨てることではありません。
損切りは気持ちのいいものではありません。
でもFXで長く生き残るためには、「損をしないこと」よりも、間違ったときに小さく撤退できることの方が大切です。
次に損切りした直後に相場が戻ったときは、「損切りしなければよかった」と考える前に、一度こう問いかけてみてください。
「あの損切りは、自分が決めたルール通りだったか?」
ルール通りだったなら、まずはそれでOKです。
そのうえで記録を残し、同じことが繰り返されているなら改善する。
その積み重ねが、感情ではなく自分のルールでトレードする力につながっていきます。
次回は、「利確したあとにさらに伸びた!もっと持っておくべきだった?」をテーマに、初心者が損切りと同じくらい悩みやすい「利確後に伸びる問題」を考えていきます。
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